栄養士8年目、5つの職場を経験して思うこと①②

転職と異動を含め、気がつけば5つの職場を経験していました。

全て職種は栄養士ですが、業務内容は全く異なり、1.2年ごとに転職しているような感覚でした。
希望どおりの配属先や異動にならず、「人生無駄な経験はない」なんて嘘でしょ。と悶々と働くこともありましたが、それぞれの場所でしか経験できないことがあり、どれも貴重な学びになっていました。
栄養士としては幅広い経験をしているので、感じたことをまとめたいと思います。

①栄養士 一人or複数
新卒から栄養士一人の職場で、何がわからないかもわからない、誰に聞けばもいいかわからない、という状況でした(泣)

一人だととにかく不安ですが、良い面もたくさんあります。


<一人のメリット>
・全て一人で決められるので、自分のやりたいことができる。(もちろん組織としての制限はありますが)
・自分のペースでできるので、長期休みを希望通りにとれる、プライベートが忙しい時は仕事をセーブできる。
・人に頼る方法を知れる。(←悲鳴をあげれば必ず誰か助けてくれます。先輩栄養士、多職種、業者さん、、みんな仲間です。)
・栄養士以外の人から「栄養」についてアドバイスがもらえる。(実践的な行動変容につなげるにはとても大事。)
・複数職場の人より成長できるペースが早い。プレッシャーもありますが、その分吸収できます。
・他の人の仕事を学べる(野生動物の調査、子供への学習指導など様々なことをお手伝いするチャンスがありました!!)


<一人のデメリット>
・本当に心細く、自信が持てない。正しいのか正しくないのかわからない。
・栄養課題を共有できる人がいない。
・主張しなければ、栄養関連業務は組織の中で優先順位が下がる。

一方で複数職場では、、、
<複数のメリット>
・とにかく仲間がいる安心感。
・資料ひとつ作ってもアドバイスがもらえるので、自分の引き出しが増える。専門的学びが多い。
・それぞれの得意分野を生かして、苦手分野をカバーできる

<複数のデメリット>
・休みや仕事量を調整しにくい
・何回も確認作業が入り、予想以上に時間がかかる(一人なら1時間で終わっていたものが、数日かかったり)
・新しいことは全員の合意がないと進められない。「とりあえずやってみよう!」が難しい。

まとめ
どちらにもメリット、デメリットはありますが、もともとの性格や、ライフステージにおいて一人の方が良かったり、複数の方が良かったりがあると思います。
私は自由にやりたいタイプなので、一人職場でも慣れてしまえば問題ありませんでしたが、中には何年経っても「一人は心細くて耐えられない」という人もいました。
どうしても肌に合わない職場はあると思います。

「ずっとここで働かなきゃ」と考えずに、いろいろな場所を経験してみると、自分に合った働き方がわかってくると思います!

 

②現場orとりまとめ?組織
栄養士だと給食管理や直接対象者に栄養指導するような「現場」とそれらをとりまとめるような組織があるかと思います。

例えば学校給食で言えば学校(現場)⇔市区町村の給食課(とりまとめ組織)など。
まずは現場を知ってから!とよく言われますが、いきなりとりまとめ組織で働くことだってありますよね!
私が経験してきた、給食の現場と行政のとりまとめ組織について、まとめたいと思います。

人により感じ方はそれぞれ。あくまで私が感じたメリット・デメリットです。

<現場のメリット>
・対象者が目の前にいるため、課題を把握しやすく、成果が見えやすい(肌で感じられる)
・業務内容が明確(献立作成、発注、食育など)
・体を動かしたり、あちこち移動できる
・調理員、給食を提供している人たちから元気をもらえる
・現場のお困りごとをとりまとめ組織に解決してもらえる

<現場のデメリット>
・周囲からの目が気になる(新メニューで失敗した時とか、人前に出たくなくなります。。)
・現場に入っての業務があり、事務仕事が進まなくなる
・栄養士以外の仕事が多い(電話や来客対応など)
・トラブル対応に即座の判断が求められる(1年目でトラブル発生「今日の給食出す?止める?」こんな判断を求められることも)
・給食を食べることができる(毎日1食でも栄養のある食事を食べられるってとても重要!)

一方、とりまとめ組織では、、、
<とりまとめ組織のメリット>
・アプローチできる対象人数が増える。(現場では目の前の人だけですが、地域住民全体など)
自治体や組織全体の栄養政策の作成などに関わることができる。(全体の栄養政策の方向性を決められる)
・組織全体の動きを把握できる。
・事業計画の作成など論理的思考が身につく。


<とりまとめ組織のデメリット>
・対象者との関わりが間接的であることが多く、距離が遠い。直接声を聞くのが難しい。
・対象者の変化がわかりにくく、成果が見えにくい。
・課題の把握は報告書のデータなど数値などからの分析が多い(参考資料を探したり、調べ学習のような業務が多いです。。)。
・机上の仕事が多い。
・現場組織から問い合わせばあれば、経験がなくてもアドバイスを求められる。
・自分で仕事を作り、アピールしないと組織内で栄養事業に力を入れてもらえなくなる

まとめ
ありの目と鳥の目とでも言うのでしょうか。

現場・とりまとめ組織それぞれで栄養改善に取り組む栄養士、どちらも欠かせない仕事です。

現場で働いていた時は献立基準の作成根拠など真剣に調べたことはありませんでしたが、とりまとめ組織で献立基準を現場の方に説明する立場になり、真剣に調べて初めて「そうだったんだ〜」と思ったことがあります。

これを知ってから現場に戻れば、対象者により説得力のある指導ができるな〜なんて思います。
私は考える前に動くタイプなので、現場での仕事の方が楽しく感じる一方、

とりまとめ組織では、いろいろな資料を読み漁っていると「目からウロコ」と思う学びがたくさんありました。

そしてどんな組織にいても思うこと。
栄養改善には本当にたくさんの人と連携することが大事!

そのためか、本当に色々な仕事を頼まれます。「栄養士は万能であれーー!」